■クリスチャン・ボルタンスキー■二つの展覧会



真夏日の午後
現在、乃木坂の国立新美術館と
原宿のESPACE LOUIS VUITTON
で同時開催中のボルタンスキー展。
ふたつの展覧会を巡る。

国立新美術館で行われている会場は
ボルタンスキー自らレイアウトした
それぞれの作品が一連の流れをつくり
暗い会場に浮かび上がって…
死をも想起させる。

国立新美術館での展覧会のあと
乃木坂から表参道の
ESPACE LOUIS VUITTONへ。
ビルの7階の自然光のなかで展開されている
インスタレーション作品からは命の声が
聴こえたような・・・

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■クリスチャン・ボルタンスキー ■ Lifetime

2019年6月12日(水)~9月2日(月) 毎週火曜日休館

10:00~18:00
(毎週金・土曜日は、6月は20:00まで、7・8月は21:00まで)

国立新美術館 企画展示室2E
東京都港区六本木7-22-2

公式サイト
https://boltanski2019.exhibit.jp/

現代のフランスを代表する作家、クリスチャン・ボルタンスキー(1944年-)の活動の全貌を紹介する、日本では過去最大規模の回顧展です。作家は1960年代後半から短編フィルムを発表、1970年代には写真を積極的に用いて、自己や他者の記憶にまつわる作品を制作し、注目されます。1980年代に入ると、光を用いたインスタレーションで宗教的なテーマに取り組み、国際的な評価を獲得。その後も歴史や記憶、人間の存在の痕跡といったものをテーマに据え、世界中で作品を発表しています。
本展では、50年にわたるボルタンスキーの様々な試みを振り返ると同時に、「空間のアーティスト」と自負する作家自身が、展覧会場に合わせたインスタレーションを手がけます。



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《合間に》2010年ビデオプロジェクション 作家蔵
吊り下げられたカーテンをくぐり抜ける作品
カーテンにはボルタンスキーの自身のイメージが写し出される。

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《アニミタス》2017年ビデオプロジェクション 作家蔵
カナダ北部の厳しい自然のなか、10時間に及ぶ映像が流される。

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《幽霊の廊下》2019年 フィギュア、布、送風機 作家蔵
東京展のために制作された作品で、大きなカーテンが並ぶ長い通路から構成されている。

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《ぼた山》2015年 衣装、円錐形の構造物 作家蔵
たくさんの黒い服が積み上げられた山。もはや黒の塊となったように見える。

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《発言する》2005年 板、コート、ランプ、サウンドボックス 作家蔵
板に黒い衣装の掛けられたミニマルな人形がメッセージを伝える。


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《スピリット》肖像がプリントされた布、ソケット、電球 作家蔵
100枚を超えるヴェールからなる作品。

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《ミステリオス》2017年 ビデオプロジェクション(HD、約12時間)3面のスクリーン
南米のパタゴニアで撮影された三つの映像で構成されたインスタレーション。


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《白いモニュメント、来世》2019年 厚紙、セロファン、LED電球 作家蔵
この展覧会のために制作された作品。


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この日の午後、学芸員によるレクチャーを受ける参加者たちも・・・


★クリスチャン・ボルタンスキー(CHRISTIAN BOLTANSKI)
1944年、パリ生まれ。写真や身分証明書といった記録資料と衣服や文房具といった日用品を組み合わせることで、自己あるいは他者の記憶に関連する作品を制作し、注目を集めるようになる。子どもの肖像写真と電球を祭壇のように組み合わせた「モニュメント」シリーズ(1985年-)や、大量の衣服を集積させた《ペルソンヌ》(2010年)など、現在まで一貫して、歴史や記憶、死や不在をテーマとした作品を発表している。
2006年、高松宮殿下記念世界文化賞受賞。

展覧会を観終え、国立新美術館の外に展示されている
《ガラスの茶室ー光庵》吉岡徳仁作へ。

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《ガラスの茶室ー光庵》吉岡徳仁
2011年第54回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展で発表され
2015年、京都の将軍塚青龍殿の大舞台で披露され話題となった作品。

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国立新美術館とガラスの茶室

この後、地下鉄で表参道へ・・・

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もうひとつのボルタンスキー展開催中
表参道、ルイ ヴィトン7階のESPACE LOUIS VUITTON
1階のドアマンに案内され、7階へ。

国立新美術館とは違った明るい採光のなかの展示
このスペースでは下に敷かれた藁や植物から
自然の香りが心地よく、外の暑さも忘れ心地よい。

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■クリスチャン・ボルタンスキー■

2019年6月13日ー10月17日

12:00-20:00(エキシビション会期中のみ)

入場無料

★エスパス ルイ・ヴィトン
東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル 7F

ボルタンスキーの《アニミタス》(2014年)と《アニミタス(白)》(2017年)を2017年にエスパス ルイ・ヴィトン ミュンヘンで展示したフォンダシオン ルイ・ヴィトンはこれらに続く《アニミタス》シリーズの2章を「Hors-les-murs」プログラムの一環としてエスパス ルイ・ヴィトン東京でご紹介します。
2つの映像作品、《アニミタス(ささやきの森)》と《アニミタス(死せる母たち)》(注1)は、ボルタンスキーの近年における最も野心的なプロジェクトの1つに属します。《アニミタス》の原点は、死者を祀る路傍の小さな祭壇へのオマージュとして、人里離れた広大な野外に設置されたインスタレーションです。ボルタンスキーが生まれた日(1944年9月6日)の夜の星座の配列をなぞるように大地に突き刺された細い棒──その1本1本の先で、300個の日本の風鈴が揺れています。このシリーズの第1作目となったインスタレーションでは、最も乾燥が厳しい地とされるアタカマ砂漠(チリ)を舞台にボルタンスキーが誕生した日に南半球で見られた星空が再現されました。この作品はその後、同じ配置を基本としながら再解釈され、3つの別の土地で設置されました。日本の豊島(《ささやきの森》、2016年)、ケベックのオルレアン島(《白》、2017年)、イスラエルの死海のほとり(《死せる母たち》、2017年秋)です。時間の流れと共に消滅する運命にあるこれらのインスタレーションは、ボルタンスキー個人の歴史を、設置する土地そのものの物語、すなわち何千人もの死者の魂の物語と1つにする試みです。それぞれの《アニミタス》の映像は、日の出から日没までをワンカットで連続撮影したものであり、草花の絨毯と組み合わされて上映されます。草花は時の経過と過ぎ行く来館者の流れと共に自然の摂理にしたがって姿を変えてゆき、ボルタンスキーの言うところの「星々の音楽と漂う魂の声」を連想させる風鈴の音色がやさしく響き渡り続けます。
世界との実存的な関係に根ざしたボルタンスキーは、作品の制作においてミニマリズムと表現主義を組み合わせています。彼の厳格なまでに簡素なインスタレーションはいずれも、誰もが理解できるように練られた普遍的な表現により、人間の存在の心もとなさ、忘却、喪失、記憶の脆さや時の経過について語りかけます。
(注1) 作品タイトル《Mères Mortes(死せる母たち)》と撮影場所となった「Mer Morte (死海)」 はフランス語で同音「メール・モルト」と発音する。


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《アニミタス(ささやきの森)》2016年 日本


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《アニミタス(ささやきの森)》2016年 日本
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《アニミタス(死せる母たち)》2017年 死海、イスラエル

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ボルタンスキー自身による過去作品の解説と映像のDVD
(日本語ア字幕付き)
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エスパス ルイ·ヴィトン ミュンヘンにて、2017 年 Photo credits: Louis Vuitton/Christian Kain
クリスチャン・ボルタンスキー
クリスチャン・ボルタンスキーは1944年にパリ(フランス)で生まれました。現在は、パリ南西のマラコフに住み、活動の拠点としています。現代美術の主要な存在であり、現存するフランスのアーティストのなかで最も影響力を持つ人物といわれるボルタンスキーは、1967年以来、著述、フィルム、彫刻、写真を表現手段とする芸術スタイルを追求してきました。ボルタンスキーの主要な関心事は記憶・追悼と時間であり、自身の人生、そして無名もしくは身元不明の人々の人生の出来事に題材を求め、自伝的要素や歴史への言及のある制作に取り組んでいます。彼には歴史研究者に成り代わろうという意図はなく、私的なものと、特定の個人との関係性を持たない日常生活の要素を手掛かりとして、個人と集団の運命が交錯する道をなぞっています。
1970年以降、ボルタンスキーの作品は数多くの個展およびグループ展で紹介されています。これまでに、上海(中国)、エルサレム(イスラエル)、アムステルダム(オランダ)、東京(日本)、エジンバラ(英国)、バレンシア(スペイン)、モンテレイ(メキシコ)で個展を開催。また、ジューイッシュ・ミュージアム(米国、ニューヨーク)、ピンチュク・アート・センター(ウクライナ、キエフ)、森美術館(日本、東京)等、世界各地の美術館やアート施設のグループ展にも参加。2010年には現代美術家1人にフォーカスする「モヌメンタ」展(フランス、パリ)の招待アーティストとなり、2011年にはフランスを代表してヴェネツィアビエンナーレに参加。
また、北ドイツ州立銀行、ブランシュヴァイク芸術賞(2001年)、高松宮殿下記念世界文化賞(2006年)をはじめとする、権威ある賞を受賞しています。




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東京メトロ 銀座線 / 半蔵門線 / 千代田線 表参道駅 A1出口より徒歩約3分
東京メトロ 千代田線 / 副都心線 明治神宮前(原宿)駅4番出口より徒歩約5分
JR山手線 原宿駅 表参道口より徒歩約10分








この記事へのコメント

2019年06月21日 13:37
密室的な空間の中で、光源や
映像を駆使した作品があるかと思うと、
明るい開放的な空間で、自然の香りを
嗅ぎながら鑑賞する作品もあって、
作者の幅の広さを感じます。
同時開催と言うのも面白いですね。
komichi
2019年06月21日 22:15
yasuhikoさん、こんばんは!
国立新美術館の大きな会場での暗さの中の展示で、ちょっと疲れた脳がエスパス ルイ・ヴィトンの会場に入った途端、明るさに救われたような気がしました~(笑)。
どちらもボルタンスキー自身が設営したものですから、きっと彼の二つの場所への計算で構成されたことだろうと想像しました。
エスパス ルイ・ヴィトンの展示も夜見たら、全く違った感覚だったかもしれません。
2019年06月21日 23:18
 ミニマリズムって、とても気難しい表現に感じています。でも日本の古来から多くのアーティストが目指した表現でもある様に思えて仕方が有りません。余計なものを排除して、研ぎ澄まされた表現方法、詩を感じます。(個人的な意見ですので、軽く流してください。)
 少し話は、ズレますが、テオ・ヤンセン今度札幌で展覧会やるようです。一度実物見て見てみたいと思っていた作家なので、とても楽しみにしています。
komichi
2019年06月22日 14:41
藍上雄さん、こんにちは!
ミニマリズムって、自己の美意識に従って余計なものを取り払い、本質に迫るような生き方や表現の仕方のような気がしています。
私は文章も詩のように書ける人が好きで憧れます~☆
テオ・ヤンセンの展覧会が札幌で開催…!ということで先ほどネットで調べましたら、実際に会場で作品を1日に何回か動かせてくださるそうで…私も観たいです~☆

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