■塩田千春展:魂がふるえる■六本木ヒルズ・森美術館



7月のある週末に、
チケット売り場の混雑にひるんで引き返した
この展覧会に再挑戦し、平日の午後
少し並んでチケットを入手し会場へ。

世界的にも評価を受けている塩田千春さんの
魂の叫びのようなメッセージを私なりに受け取りながら
作品のあいだを泳いでいる感覚に…

毛細血管のように張り巡らされた紅い糸のような管のような
蜘蛛の巣のような作品にただ圧倒され眺める。

繊細でありながら、熱いエナジーが空間を覆い
彼女の身体から生み出された作品に魅入る。

魂がふるえる.jpg


■塩田千春展:魂がふるえる■六本木ヒルズ・森美術館

2019.6.20(木)~ 10.27(日)


10:00~22:00(最終入館 21:30)火曜日のみ17:00まで

森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
www.mori.art.museum/
東京都港区六本木6丁目10-1
月曜:10:00~22:00
火曜:10:00~17:00
水曜~日曜:10:00~22:00

ベルリンを拠点にグローバルな活躍をする塩田千春は、記憶、不安、夢、沈黙など、かたちの無いものを表現したパフォーマンスやインスタレーションで知られています。個人的な体験を出発点にしながらも、その作品はアイデンティティ、境界、存在といった普遍的な概念を問うことで世界の幅広い人々を惹きつけてきました。なかでも黒や赤の糸を空間全体に張り巡らせたダイナミックなインスタレーションは、彼女の代表的なシリーズとなっています。
本展は、塩田千春の過去最大規模の個展です。副題の「魂がふるえる」には、言葉にならない感情によって震えている心の動きを伝えたいという作家の思いが込められています。大型インスタレーションを中心に、立体作品、パフォーマンス映像、写真、ドローイング、舞台美術の関連資料などを加え、25年にわたる活動を網羅的に体験できる初めての機会になります。「不在のなかの存在」を一貫して追究してきた塩田の集大成となる本展を通して、生きることの意味や人生の旅路、魂の機微を実感していただけることでしょう。


塩田千春《不確かな旅》2016年
鉄枠、赤毛糸不確かな旅.JPG塩田千春3.JPG塩田千春2.JPG


塩田千春《静けさの中で》2008年
焼けたピアノ、焼けた椅子、黒毛糸静けさの中で.JPG塩田千春10b.JPG塩田千春10.JPG


塩田千春《時空の反射》2018年
白いドレス、鏡、鉄枠、Alcantaraの黒糸時空の反射.JPG



塩田千春《内と外》2009年
古い木製の窓、椅子内と外.JPGメッセージ.JPG塩田千春12b.JPG


塩田千春《集積―目的地を求めて》2016年
スーツケース、モーター、赤ロープ集積―目的地を求めて.JPG


塩田千春《外在化された身体》2019年塩田千春7.JPG外在化された身体.JPG
塩田千春《小さな記憶をつなげて》塩田千春8.JPG

塩田千春《手の中に》手の中に.JPG


塩田千春《宇宙に近い生》2013年 水性クレヨン、水性インク、糸、紙宇宙に近い生.JPG


塩田千春《絵になること》1994年 
パフォーマンス、インスタレーション(赤エナメル塗料)
オーストラリア国立大学美術学科(キャンベラ)
デジタルプリント 2019年 Photo:Ben Stone絵になること.JPG

塩田千春
《蝶のとまっているひまわり》1977年 水彩、紙
塩田千春さんが5歳の時に描いた絵蝶のとまっているひまわり.JPG




塩田千春《どこへ向かって》2019年
白毛糸、ワイヤー、ロープ塩田千春エントランス.JPG
エントランスに作られた作品



作家メッセージ
「今まで、展覧会が好きでそれだけが生きがいで、作品を作ってきました。どうにもならない心の葛藤や言葉では伝えることができない感情、説明のつかない私の存在、そのような心が形になったのが私の作品です。一昨年、12年前の癌が再発しましたが、死と寄り沿いながらの辛い治療も、良い作品を作るための試練なのかもしれないと考えました。この展覧会では、過去25年分の作品を発表します。裸になった私の魂との対話を観てください。」

塩田千春
1972 年大阪生まれ、ベルリン在住。2008年、芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。南オーストラリア美術館(2018年)、ヨークシャー彫刻公園(2018年)、スミソニアン博物館アーサー・M・サックラー・ギャラリー(2014年)、高知県立美術館(2013年)、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(2012年)、国立国際美術館(2008年)を含む世界各地での個展のほか、シドニー・ビエンナーレ(2016年)、キエフ国際現代美術ビエンナーレ(2012年)、横浜トリエンナーレ(2001年)など国際展参加も多数。2015年には第56回べネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館代表。




この記事へのコメント

2019年08月11日 23:09
 最初見たとき、イラストなのかと思ったのですが、インスタレーションの中に人が居るのですね。何か吹っ切れないもやもやした感情の中にいるような雰囲気感じます。それは何なのかは分かりませんが、赤や黒で、心象的な雰囲気は感じ取れますね。面白いと思います。
 でも草間彌生さんの様な、おおらかさは少ないような気がします。(’個人的な意見なので…。ご了承願います。)あるいは別の物を求めているのかもしれません。
komichi
2019年08月12日 22:39
藍上雄さん、こんばんは!
《不確かな旅》の投網で放ったような紅い糸は内視鏡で眺めた身体の内部のようでもあり、つかみどころのない自分のようでもありました。
草間彌生さんと塩田千春さんは、心体から作品創作を渇望するような切実さが似ているなぁ~と、私は感じました。
この展覧会はとても盛況で、若い人が多く、何か強く惹きつけられるものを感じているのだろうと想像しています。
木の葉
2019年08月13日 19:00
こんばんは。
表現にも色々あると思いますが、感情をなんですね。
感じかたは人それぞれだと思いますが、深く考えない人には沸かないのかもしれません。「静けさのなかで」すきです。私も深く考えたことはありませんが、表現するならこんな感じかもと思ってしまいました(笑)
komichi
2019年08月14日 18:35
木の葉さん、こんばんは!
塩田千春さんは深い思考を経て、自己の感情を緻密に表現した結果が作品に結実して、彼女の独特な世界が生まれたんでしょうね~☆
今回、観た人の心に様々な感情を生まれさせているように感じました。
私も彼女の作品から複雑な感覚を得て、感動しました。
2019年08月16日 15:42
なるほど、毛細血管のようですね。
自分の内面を覗き見たようなおののきを
覚えそうです。私が特に心惹かれたのは、
木製の窓を集めた作品。窓を通して、
建物や人々の暮らしが透けて見える気がしました。
komichi
2019年08月16日 21:42
yasuhikoさん、こんばんは!
ベルリンの解体建物から引き取った窓枠を塩田さんは感慨を持って眺め、作品に仕上げ、《内と外》と名付けたことに興味を持ち、私も作品の内側と外側から眺めてみました。
考えてみると自分の体も皮膚一枚で内と外に分かれていますけど、内側も外側のこともよく理解していない自分がいます。