■舟越 桂 私の中にある泉■渋谷区立松涛美術館

真冬の寒さの午後、
渋谷の雑踏を抜け静かな住宅街のなか、
人物の木彫刻作品で知られる
船越桂の作品展が開催されている
渋谷区立松涛美術館へ。

天童荒太「永遠の仔」などの
小説の装丁にも使われたり・・・
独特の世界観で魅了する船越桂の作品。

今回は最初期の函館トラピスト修道院から
依頼された《聖母子像のための試作》展示から
2020年制作の《スフィンクスには何を問うか?》や
各彫刻制作のドローイングまで・・・

彼のヒストリーを感じられる展覧会
その静謐な世界の中で祈るような気持に。

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■舟越 桂 私の中にある泉■渋谷区立松涛美術館

2020年12月5日(土)~ 2021年1月31日(日)
休館日 月曜日(ただし1/11は開館)、12/29(火)~1/3(日)、1/12(火)

現代日本を代表する彫刻家、舟越桂(1951–)は、東京藝術大学大学院在学中に函館のトラピスト修道院から聖母子像制作の依頼を受けたことを契機に、本格的に木彫での人物像の制作を開始しました。1980年代にはじまる楠の木彫彩色の人物像は、1990年代前後から異形化が試みられるようになり、新たな表現領域が切り拓かれていきました。
舟越は、一貫して人間の姿を表すことにこだわり、「自分の中の水の底に潜ってみるしかない」と、創造にあたってまず自分自身と向き合う姿勢をとり続けてきました。その背後には「ある個人を特定して語っていく事、それが普遍的に人間について語る事になっていく」という思いがあり、また創作の源となる作者の内面は、ひそかに外につながる水脈を保つ地底湖のように、社会的あるいは個人的な様々な事象を受けとめ揺らぎ続けてもいるのです。
本展ではこの作家の心のありようを、「私の中にある泉」と呼びます。そして、1980年代から今日までの代表的な彫刻作品にくわえ、ドローイング、版画、何かを思うたびに書き留められるメモ、自作のおもちゃや小物などをつぶさに見ていくことで、作品が生み出される作家自身の内なる源泉の姿そのものを探ります。

1 章:私はあゆむ、私はつくりだす
Ⅱ章:私は存在する
Ⅲ章:私の中にみつける
Ⅳ章:私は思う
Ⅴ章:私の中をながれるもの
Ⅵ章:私ははぐくむ


舟越桂《水に映る月蝕》2003年 楠に彩色、大理石
作家蔵 撮影: 今井智己水に映る月蝕.jpg

舟越桂《戦争をみるスフィンクスⅡ》2006年
楠に彩色、大理石、革
個人蔵 撮影:内田芳孝戦争をみるスフィンクスⅡ.jpg


船越桂《冬の本》1988年
楠に彩色、大理石
作家蔵 撮影:落合高仁冬の本.jpg

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↑会場ではインタビュービデオ映像も流されていて
船越桂氏のアトリエから作品への向き合い方も語られ
興味深く眺めました。

会場には若い人も多く訪れていて、人気を再確認。

home_main01.jpg★松涛美術館
https://shoto-museum.jp
〒150-0046 
東京都渋谷区松濤2-14-14 
TEL:03-3465-9421

この記事へのコメント

2020年12月18日 14:58
松涛美術館に行かれましたか。
この展覧会、ちょっと気になってたんです。
舟越さんの彫刻は、展覧会の写真を一目
見ただけでも、忘れられない印象が残りますね。
松涛美術館は、展示品と関係のない
建物部分は撮影ができるので、
その内また出かけようと思ってます。
komichi
2020年12月18日 18:53
yasuhikoさん、こんばんは!
船越桂さんの彫刻は静かな宗教性すら感じさせ
何とも魅力的な作品で、この美術館の
建物にもマッチしたいい展覧会でした。
彫刻以外にデッサンやドローイングなど
平面の作品も多く展示され、
彼の全体像を感じられました。
2020年12月19日 21:42
松涛美術館、若い頃行ったきりで、長年訪れていません。
渋谷の住宅街のお洒落で大きな建築は印象に残っています。
舟越桂さんの彫刻は、人間の人間らしさが迫ってくるような感じがします。
間近で見ると、凄いインパクトでしょうね。
楠の木彫彩色は、日本古来の宗教芸術を継承しているような気がします。
komichi
2020年12月19日 23:35
ミクミティさん、こんばんは!
松涛は東京でも有数のお屋敷町で
松涛美術館もかつて鍋島家の所有していたもの。
今は区の美術館となって、入場料も低く設定し
良心的で建物も素敵な美術館で、好きです。
船越桂さんの彫刻からは能面に見られるような
神秘性も感じたり・・・
静かで深い世界が広がっているように見えました。
ほとんどの作品が楠に彩色となっていて、
私は詳しくないのですが、日本古来の伝統的な手法なのでしょうか。