■リビングルームⅡ■ ミシェル・ブラジー展■銀座メゾンエルメス フォーラム
銀座5丁目エルメス店8階
銀座メゾンエルメス フォーラムで
現在、開催中の
■リビングルームⅡ■ ミシェル・ブラジー展■へ。
華やかなエルメス カレの並ぶ1階のショップを
眺めながら、奥のエレベーターで8階へ。
窓から明るい光があふれるギャラリーに
展示されたミシェル・ブラジーの作品
日常の中で使われる道具やモノたちへ
有機的なものを触媒にして命の変化を
詩的に静かに表現した空間。
詩を読むように眺めた展覧会。
■リビングルームⅡ■ ミシェル・ブラジー展
2016 年9月16日(金)~ 2016 年11月27日(日)
月~土 11:00~20:00(最終入場は19:30まで)
日 11:00~19:00(最終入場は18:30まで)
★銀座メゾンエルメス フォーラム
中央区銀座5-4-1 8階
TEL:03-3569-3300
入場 無料
「銀座メゾンエルメス フォーラムは、「リビングルームII」 ミシェル・ブラジー展を開催いたします。1966年、モナコ生まれのフランス人作家、ミシェル・ブラジーは、初期から一貫して、植物、野菜、果物、昆虫、微生物などを取り込みながら、身の回りの自然に息づく美と醜、生命のサイクルをありのままに、また詩的に問う作品を制作してきました。フランスの主要な美術館での個展をはじめ、これまで各国で数多くの展覧会に参加していますが、日本では初の個展開催となります。
時間とともに移り変わる生成の過程そのものを見せるブラジーの作品は、完成したフォルムをもちません。生活者によるささやかな実験室さながら、キッチンやベランダでの野菜の発芽や育成、あるいは腐敗といった現象の増長を試みます。寒天のひび割れと剥離によって描かれる生きた壁画や、積み上げられたオレンジの皮が、数ヶ月の間に朽ちていく様子を見せる作品などは、現代のヴァニタスとして無常を描くとともに、見慣れたものに息づいている時間の流れ、予期しない色彩やフォルムを取り出してみせます。
ブラジーの宇宙では、カタツムリやねずみといった動物たちも、時に共同作業を担います。衛生を重んじる生活環境の中で排除されがちなこれらの生きものたちは、新たな役割を得て、実に雄弁に振舞います。また、文明が生み出した物質も共存します。既製品として流通しているものたちは、人間の一生よりも長い時間を持ちながらも、経済の流れの中で短い寿命を設定されます。型落ちした家電製品に植物を寄生させるシリーズでは、商品のライフサイクルと自然本来の時間を対比させながら、文明や存在のはかなさや逞しさをユーモラスに描き出しています。
本展のタイトルとなった「リビングルーム」は、住居におけるくつろぎの場を表すと同時に、生命が絶え間なく変化する空間を喚起する言葉でもあります。クリーンで静的なギャラリースペースへの批判も込められたブラジーの実験室は、私たちの文明が快適さのもとに排除しがちな風景にも対等なまなざしを向けるのです。」
★展示から・・・
《オーレリーの靴》2016 靴、水、植物、土
《キムとサミュエルのゲーム機》2016 ゲーム機、水、植物、土
《マリーのコーヒーマシン》2016 コーヒーマシン、水、植物、土
《ワインを飲む壁》2014‐2016 グラス、ワイン、保存料、石膏ボード、ボトル
《かたつむりを放つ》2009‐2016 かたつむり、カーペット
上:《無題》 1993 紙にインク
《ほうきになるほうき》 2016 ほうき、素焼きの植木鉢、土
日本の職人が作ったほうきから芽が出て葉が茂っています。
★ミシェル・ブラジー(Michel Blazy)
cNacasa & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d'entreprise Hermes
1966年、モナコ生まれ。フランス・パリ在住。1990年代よりキッチンの日用品や自宅の庭で採取した植物などを用いた作品を制作。ユーモアを織り交ぜた詩的な表現で、自然とテクノロジー、有機物と人工物といった相反するものを調和させる世界を提案している。主な個展に『Living Room』(ヌオーロ県立美術館、ヌオーロ、2016年)、『Pull Over Time』(Art : Concept、パリ、2015年)、『The Great Restaurant』(ル・プラトー、パリ、2012年)、『Post Patman』(パレ・ド・トーキョー、パリ、2007年)。
★銀座メゾンエルメス フォーラム
http://www.maisonhermes.jp/ginza/
中央区銀座5-4-1 8階
TEL:03-3569-3300
この記事へのコメント
まさに発想の芸術(^^)。
ほうきになるほうき・・(^^)。
「カタツムリの這う跡をよく見よ!
お主には、生命の神秘、宇宙の拡がりが
見えて来ないのか。喝!」
あっけらかんとしたユーモアと、文明に対する
批評性が籠められてるように思いました。
ワインを飲む壁、かたつむりを放つ…タイトルでなるほど、それからじっくりなるほど…。
音楽に絵にとkomichiさんの引き出しは深くて広いなあー。
この作家の発想力とその表現の洗練さが
美しい作品として完成していて、
見事だなあ~と感じ入りました。
文明へのアンチテーゼも、彼の手にかかると知性とユーモアをエッセンスに美しい作品となって、そこに立ち現れることがいいなぁ~と、感じました。
彼の色感も好きで、平面作品もじっくり眺めました~♪
最近、どこのメゾンも一等地にアートスペースを持っていて、次々にいい企画で楽しませてくれます~☆
この作家のふわっとした色使いも好きで、センスの良さが感じられ柔らかな説得力を持っているように思いました~。
自分には発想できない表現をするアーティストが好きで、作品からメッセージを受け取る感覚をいつまでも持ち続けたいと願っています~☆