■没後50年 坂本繁二郎展■練馬区立美術館


吉祥寺でのヨガレッスンを終えた午後
電車をいくつも乗り換え、中村橋にある
練馬区立美術館で開催中の
■没後50年 坂本繁二郎展■へ。

坂本繁二郎の作品を詳しく知らないまま
リーフレットの《月》作品に魅せられ
足を運んだ展覧会。

神童と呼ばれた子供時代から
晩年の月の作品まで、
どの作品からも絵画に対する
真摯な向き合いが感じられ
淡く美しい色彩の中にある作家の眼差しが
静かに迫り、惹きこまれる。

坂本繁二郎の晩年の月の作品に対し
井上靖が「晩年の華やぎはうつくしい…」
といった言葉が印象的。

早世した親友、青木繁の代表作
『海の幸』1904年作は
坂本繁二郎と青木の恋人・福田たねとの
千葉県米良でのスケッチ旅行から生まれた。

幼き頃から、深い縁のある青木繁の
晩年の絶筆《朝日》も展示され
感慨もひとしお。

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■没後50年 坂本繁二郎展■練馬区立美術館

2019年7月14日~9月16日 月曜日休館

10:00~18:00

坂本繁二郎(1882-1969)は福岡県久留米市に生まれ、同級生に青木繁(1882-1911)がおり、お互いに切磋琢磨する青年時代を送ります。20歳で青木を追うように上京。小山正太郎の主宰する不同舎に学び、展覧会出品作が数々の賞を受けるなど順調乾満帆の画業をスタートさせます。
39歳の時に渡仏し3年間の留学生活を終えると、その足で家族の待つ久留米に帰り、以後、画壇の煩わしさを避け、郷里にほど近い八女にアトリエを構え、作画三昧の生活を送ります。
戦後になって、九州の地で戦前と変わらぬ穏やかさをたたえた作品を制作し続けていた坂本が“発見”され、坂本の作品は瞬く間に人々の注目と喝采を浴び、その後74歳で文化勲章を受章します。
ヨーロッパ留学までは牛を、帰国後は馬を、戦後は身の回りの静物、最晩年は月を主なテーマとして取り上げます。同じモティーフを取り上げながらも一つ所に留まらず、主題は平凡でありながら、精魂を傾け仕上げられた画面は厳かな静謐さを秘めています。
本展は、坂本の最初期から晩年まで、彼の絵画が成熟していく過程を人生の歩みとともに明らかにして行くものです。約140点の油彩、水彩、水墨画等に加えて、お互いに磨きあい、支えあった盟友、青木繁の作品も合わせて展示します。

第Ⅰ章:神童と呼ばれて
第Ⅱ章:青春ー東京と巴里
第Ⅲ章:再び故郷へー馬の時代
第Ⅳ章:成熟ー静物画の時代 1945-1963年
第Ⅴ章:「はなやぎ」-月へ 1964‐1969年


坂本繁二郎15歳の日本画
この頃から画力が素晴らしい
水墨画.jpg
《立石谷》絹本墨画



放牧三馬.jpg坂本繁二郎《放牧三馬》1932年 油彩・カンヴァス
石橋財団アーティソン美術館蔵


水より上る馬.jpg坂本繁二郎《水より上る馬》1953年 油彩・カンヴァス
株式会社鉄鋼ビルディング蔵


鳶形山.jpg坂本繁二郎《鳶形山》1932年 個人蔵


達磨.jpg坂本繁二郎《達磨》1964年 個人蔵


月.jpg坂本繁二郎《月》1966年 油彩・カンヴァス 
無量寿院(福岡県立美術館寄託)



青木.jpg青木繁《朝日(絶筆)》1910年 油彩・カンヴァス
佐賀県立小城高等学校黄城会



リーフレット.JPG練馬区立美術館
https://www.neribun.or.jp
東京都練馬区貫井1-36-16
03-3577-1821


2015年の練馬区立美術館での展覧会はこちらから↓
■アルフレッド・シスレー展■-印象派、空と水辺の風景画家-■






この記事へのコメント

2019年09月07日 22:30
坂本繁二郎という画家は知りませんでした。
確かに描写力に裏付けられたほんわかしたタッチの油彩画が魅力的ですね。日本画と洋画の融合のような画風が持ち味かなと思いました。空の風景がいいですね~。
2019年09月07日 22:53
 坂本繁二郎氏の絵画、パステルカラーの絵画はよく存じております。水墨画素晴らしいですね。日本画の画家さん・・・?かなりの力量だと思います。(個人的にはあまり好きな絵画ではなかったので、詳しくは知りませんでした。)
 シュールな中に素朴な雰囲気、趣が有りますね。
komichi
2019年09月07日 23:56
ミクミティさん、こんばんは!
青木繁のことはブリジストン美術館でも作品を眺めていますけど…坂本繁二郎の作品には多分出会ったこともあるのでしょうけど、今回の回顧展のようにしっかり系統立てて眺めてみたことはなく、行ってよかったと思いました。
フランス留学で得た色感もあると思うのですが、柔らかな色調の中に、どこか静けさが漂っていて、魅力的でした。
雲を描いた作品が私も好きでした~☆
komichi
2019年09月08日 00:00
藍山雄さん、こんばんは!
坂本繁二郎の作品をよくご存じだったのですね~☆
水墨画は坂本繁二郎の15歳の時の作品で、
そのころからすでに一流の画家の佇まいを感じました。
晩年の繁二郎の月の絵(何点かあります)は、
なんとも美しく素晴らしいと思いました。
2019年09月16日 08:05
教科書で見た青木繁氏の"海の幸"は強烈なイメージがあります。
坂本繁二郎氏のことは全然知りませんでした。
青木繁氏と切磋琢磨してたとのことですが、絵はまるっきり正反対のイメージです。
青木氏のリアリズムと坂本氏のムダを廃した線使いとパステルカラー的な(油絵でパステルカラーって表現おかしいですけど)色使い。
敢えて違う表現方法を極めようとしていたのは、おたがいがおたがいに敬意を払っていたんじゃないか…そんな風に感じました。
青木繁氏は早世されたとのことですが、強烈な画風だけに世間の評価は厳しかったかも。
坂本繁二郎氏の画風はモネに通じる印象派系なので、或る意味 癒やし系として人気を博したんじゃないかと思ってみたり。
komichi
2019年09月17日 21:35
おーちゃんさん、こんばんは!
青木繁の「海の幸」は千葉の米良(いま台風で困難な状態の)でスケッチ合宿を坂本繁二郎とともに行ったスケッチを基に描いた作品と言われています。
青木繁の作品を同郷の石橋氏に所蔵するよう計らったのは坂本繁二郎だったそうです。
画風は全く正反対で、青木繁の絵画は全体に暗く強烈な雰囲気を漂わせていますが坂本繁二郎はフランス留学の影響もあったのか…柔らかな色遣いですね~☆
お互いに敬意をもって付き合っていたんでしょうね。
本当のライバルでしょうね。